【愛媛酒蔵紀行 九献目】近藤酒造
今回は、そんな夏に飲みたくなるニューフェイスの発売を控えた、新居浜の近藤酒造さんにお伺いしてきました!
酒蔵から生まれた 愛媛のクラフトジン
先日、愛媛新聞を見ていると「真穴みかん 蔵元タッグ」の見出しが。
よく見てみると、かんきつの香りがさわやかなクラフトジンができたとのこと!約1年かけて、真穴のみかんの実や皮、さらには花や防風林のコノテガシワの実まで入ったオリジナルジンが紹介されていました。
クラフトビールに続き、クラフトジンがアツいというのは知っていたけれど、ついに愛媛にも!ということでお話を伺ってきました◎
幻の蔵から 新居浜唯一の酒蔵へ
今回ご案内してくださったのは、5代目社長の近藤さん(東進衛生予備校の先生みたいなお写真ですみません…)。
バーテンダーだったこともあるという意外な経歴と、みかんのリキュールや甘酒など、幅広い種類に取り組んでいた経験から、初の「ハードリカー」のジャンルにも挑戦。試行錯誤の末、満を持して完成したクラフトジンのお話にも熱が入って、それだけ自信の高さがうかがえました。ただ、酒づくりそのものを始める時は、試練の連続だったそうです…!
【蔵1】
今でこそ、新酒品評会で好評価をもらう酒蔵の一つとして知られていますが、実は一時期酒づくりを辞めていた時期がありました。日本酒が売れず、酒類の卸売業に専念せざるをえなかったそうです。
その時、5代目として県外から地元に帰ってきた近藤さんが動き始めます。復活のために、全国各地の復活蔵を見て回り、たった一人で酒づくりを再開し始めたのです。
【蔵2】
日中はお酒の配達をして、それ以外の時間は蔵にこもる毎日。
点滴を打ちながら、タンク2本の仕込みに全力を注ぎました。そこから2年、近藤さんの努力が実を結び、3年目に県新酒品評会で金賞、8年目で全国の品評会で金賞を受賞しました。一度は幻となった酒蔵が、全国に返り咲いたのです!
【蔵3】
近藤酒造の酒づくりは「五感を使う」酒づくり。
温度管理や分析など、数値での管理も行うのですが、見て、発酵の音を聞き、香りと味、最後は手で感触を確かめるのも大事にしています。試行錯誤しながらも、復活させた経験とノウハウが体に刻み込まれているのでしょう!また、平成の名水百選に選ばれている赤石山系の「つづら淵」の水や地元の酒米を使用するなど、素材にもこだわりが。
酒づくりへの姿勢は、復活前も今も変わらず続けられています。
その他、愛媛のみかんを使った「愛媛 みかんde酒」は、県内のデパートでお土産ランキング1位(アルコール部門)となり、ザ・ペニンシュラ香港でもふるまわれている、海外からも注目の一品。8月8日から発売のクラフトジン「八八 PACHI PACHI」の反響が楽しみになってきました!限定約700本(720ml)だそうなのでお早めに!
オススメの一本華姫桜 純米酒
全国新酒品評会にて金賞の受賞経験もある、近藤酒造の看板酒。
平成の名水百選に県内で初めて選ばれた「つづら淵」と、新居浜のコメ農家さんが作る松山三井でじっくり仕込んだ、made in新居浜の一品です。キリっとしている中にどこか優しさもある味わいと、桜のようなフルーティーな香りは、まるで祭好きで荒そうに見えるけれど人情味にあふれる新居浜人のよう。
蔵の隣には名前の由来となった老木の桜もあって、新居浜にしっかり根を下ろしているお酒だと感じました。
こちらは近藤酒造の看板犬・むぎ。暑さでぐったりしているけれど、私は酒造りのアツいお話で高まっておりました!(笑)
備考 酒蔵見学可(7日前までに要予約(見学NGの時期があるため要問い合わせ))
[TEL]0897-33-1177
[営業時間]9:00~17:00 [休]土・日曜、祝日 [URL]http://www.kondousyuzou.com
たけの
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