【愛媛酒蔵紀行 八献目】梅美人酒造
暖かくなり春らしくなってきた今日この頃。今回は、名前に「梅」が入っている八幡浜の梅美人酒造さんにお伺いしてきました!
味のある赤レンガ煙突のモダン蔵元
南予・八幡浜の、住宅や商店が立ち並ぶエリアに突如現れたのが、この煙突。
煙突には「ウメビジンホン店」の文字が。全国的にはいくつか残っている、酒蔵の赤レンガ煙突ですが、ここ梅美人さんも趣のある煙突が残っている蔵元さんです。
木造でありながら大正モダンの雰囲気もある、風情たっぷりの蔵は、おもわず深呼吸してしまうほどでした。そんな蔵でつくられる日本酒って…。お話を聞いていると、日本酒にかける想いと手間が、歴史とともに刻まれていました。
古き蔵での「いいもの」を追求した酒づくり
今回ご案内してくださったのは、5代目社長の上田さん。
外国人や、50人以上の団体客の見学も快く受け入れられるほどの寛大さには驚きでしたが、これも自分のお酒づくりを知ってもらいたいからこそ。そのため、この歴史のある蔵での酒づくりにも常に全力だということが、ひしひしと伝わってきました。
梅美人酒造さんの1番の特徴は、蔵の構造をうまく活かして仕込みを続けているところ。
大正時代に建てられた蔵は、立派な柱や重厚な扉が印象的な木造の建物。見る分にはいいですが、実際に仕込みを行うとなると不便そうなつくりでした。
でも、そんな欠点をプラスに変えるのが梅美人さん。蔵の構造をうまく活用する工夫が至る所に見られました。
例えば、温度管理ができる貯蔵庫の内部。
入ってみると、ライブハウスかと思うほどの大きなスピーカーを発見。聞いてみると、酒にクラシックを聴かしているそうなのですが、なんと木造だから音が共鳴して一層素敵な音色になるんだそう。もはや蔵そのものがスピーカーに。
こんな環境で作られるとはお酒も贅沢だなあ、と感激しました。
他にも、冷蔵管理を徹底するため、生酒は南予でしか流通させていないことや、昔からの木製の道具にこだわっていることなど、酒づくりに対して一切妥協しない姿勢にはただただ圧倒。
ビジネスとしての飛躍ではなく、いいものを作ることによる飛躍を目指している意志を貫いているからこそなんですね。
☆
そういったこともあって、他の酒蔵さんではよく耳にする「蔵開き」は、梅美人さんでは行わず、その代わりにお客さんが見に来たいタイミングで来てもらえるように、酒蔵見学を積極的に行っているそう。
作るだけでなく、伝えることにもこだわりがある、ということに驚きでした。
オススメの一本
梅美人 純米大吟醸
酒蔵の名前でもある「梅美人」シリーズの純米大吟醸。
美人と付いているだけに、どこか女性のような優しい味わいは、クセになること間違いなしです!酒蔵には、南予の数か所にしか置いていない生酒もあります。わざわざ買いに足を運びたくなる一本です。
備考 酒蔵見学可(5日前までに要予約)
[TEL]0894-22-0312
[営業時間]9:00~17:00 [休]土・日曜、祝日 [URL]http://www.ume-bijin.co.jp/html/index.html
たけの
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