【愛媛酒蔵紀行 四献目】桜うづまき酒造
地元に長く愛される、
愛媛・北条の酒蔵
昔ながらの住宅が並ぶ、細道を進んだ先に現れる、北条の蔵元・桜うづまき酒造。
創業140年以上続く蔵元ですが、今年初めて、地元の方向けの「蔵『半』開き」を実施。
まずはご近所さんから、と新酒の試飲や蔵見学などが行われました。
面白かったのは、大人に混じって、近所の子どもたちも蔵見学や甘酒の試飲をしていた所。世代を超えて愛され続ける、地元に根付く酒蔵です。
「大量生産」から
「質のこだわり」への転換
今回案内して下さったのは、6代目社長の篠原さん。
蔵の中は、専務の弟さんも同席いただきました!
ずっと酒づくりを見てきたお二人のお話と熱い想いは、ここでは伝えきれないほど。どのお話も面白くて興味深かったのですが、楽な事ばかりでもなかったようです…。
日本酒の仕込みをしている蔵の中に入り、まず目に飛び込んできたのがこちら。酒蔵であることを忘れるほどの、重厚感あふれるマシン!
実はこれ、「連続蒸米機」という機械で、洗米から蒸米、その後の冷却まで一気にできるそうです。
量を作ってたくさん売るのが主流だった15年ほど前までは現役でしたが、現在は使用せず、逆に10kgずつ小分けにして洗ったり蒸したりしています。
機械で一気にした方が効率良さそうなのになあ、と思ってしまったのですが、量が多いと蒸し具合や含水率にムラができる難点があります。量ではなく質にこだわろうとした時、目が行き届く範囲で行う方がずっといいお酒ができるとのことでした。
桜うづまきさんの特徴は、なんといっても杜氏さんの若さ。
歴史もあるのでベテランの方がされているのかと思いきや、なんと33歳の方がされています!杜氏デビュー時はまだ20代でアルバイトだったというから驚きです。
一昔前まで、杜氏は外部の職人さんで、来る人が変われば味も作り方も変わる、不思議な状態だったそう。
ただ、杜氏任せでは困ると、データ管理や杜氏の育成など試行錯誤を重ねながら、今に至っています。
酵母という生き物を相手にしているので、「ものづくり」というよりも酪農や畜産の方が近い、でも目に見えるものではないため改めてその難しさを痛感しました。
蔵の中には、大量生産していた時の名残がちらほら。昭和46年製の大きなヤブタや2万リットル入る琺瑯のタンクは今でも現役!タンクはみりんなどの調味料の仕込みに使われているそうで、特別に中を見せていただきました。リンゴのような爽やかな香りに誘われて近くまで行きましたが、タンクの深さには足がすくみました…。
オススメの一本 咲くら
純米大吟醸 無濾過生酒
昨年から始めた新ブランド「咲くら」。
しぼりたてをそのまま詰めた無濾過生酒は、この時期だけしか飲めない一本です!
純米大吟醸のほか、大吟醸、特別純米、特別本醸造があるので、ぜいたくに飲み比べてみるのも◎!
松山市内の一部の酒販店にしかないので見つけたらぜひ押さえておきたいですね。
[TEL]089-992-1011
[営業時間]9:00~17:00
備考 酒蔵見学可(1週間前までに要 予約) [休]土、日・祝日 [URL]https://www.sakurauzumaki.com/
たけの
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