【愛媛酒蔵紀行 三献目】協和酒造
創業130年を迎えた、砥部の酒蔵
入り組んだ細道を進むと現れる、砥部町の蔵元・協和酒造。昨年創業130年を迎え、地元で愛される酒蔵として酒造りを続けながら、酒蔵カフェ「はつゆき」を運営するなど、新しいことにも積極的に取り組んでいます。
今回は、無濾過生原酒の瓶詰が最盛期の酒蔵を見学させていただきました!
酒・作り手・飲み手、三方良しの酒造り
今回案内して下さったのは、常務の三谷
さん。もう6代目だそうですが、前職はなんとデザイナー。そのためか、既存の方法にこだわらず、飲んでくれるお客さんと、作り手、日本酒の三者のことを考えた酒造りをしていました。
協和酒造さんの酒造りの特徴は、時期をずらして長期に渡って仕込みをしている所。一般的には、秋~冬の寒い時期に仕込んでその年のお酒を作るのですが、協和酒造さんは10月頃の純米吟醸の仕込みに始まって、4月頃まで、仕込んでは搾り、仕込んでは搾り、という作業を繰り返しています。一度にまとめた方が効率がいいのですが、そうしないのには、2つの大きな理由があるんです。
その理由の一つは、お酒への深いこだわりにあります。吟醸酒や果実酒など、たくさんの種類のお酒を作る協和酒造さん。
種類が多いと、仕込みの時期が重なった場合1種類にかける手間に限界がでて、そのしわ寄せは味や風味にやってきます。
でも時間をかけてでも雑味が少ないならじっくり搾るべきだし、搾りたてが美味しいお酒なら搾ってすぐ出荷すべき。
そのお酒の一番美味しい状態を味わってほしい、という想いから、目の届く範囲でできるよう日程を組んでいます。
もう一つの理由は、作り手への気遣い。仕込みの時期は24時間付きっ切りで温度管理をします。
初めは元気でも、四六時中温度管理をするのはさすがにしんどい…。その様子を見た三谷さんは、休みを作りメリハリをつけて業務に集中できるよう、時期を調整しているんだそうです。県内でも珍しいそうですが、すごく理にかなっているなと感激しました!
その他にも、手間はかかるけど香りが飛ばない「瓶燗火入れ」を行うなどお酒へのこだわりを持つ一方、若手の作り手でも扱いやすい道具を取り入れ、ブラッシュアップも行っています。日本酒業界は職人色が強く、厳しいイメージがありますが、それが180度変わる酒蔵見学でした。
オススメの一本
初雪盃 純米大吟醸
昨秋に「愛媛あかね和牛によく合う日本酒」受賞、先月に「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の大吟醸部門で金賞を受賞した協和酒造のエース。純米大吟醸でありながら、牛肉にも合うしワイングラスでも頂ける守備範囲の広さを、ぜひ体感して下さい!松山市内や砥部町の酒販店でも購入できますが、酒蔵での購入が確実。
最後は、お姉さんの谷口さんと。
[TEL]089-962-2717
[営業時間]10:00~17:00 [休]木曜(祝日の場合は除く)
11:00~16:00(5~10月) [休]月・火・水・木曜(祝日の場合は除く) [URL]https://www.hatsuyukihai.jp/
たけの
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